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雨とオーディオとBill Evans

ジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスの映画「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」が公開されました。51歳の若さで世を去った、モダン・ジャズ史上に名を残すピアニストの生涯を追った話題のドキュメンタリーです。

 

梅雨時のじめじめした天候が続いていますが、ビル・エヴァンスのピアノの演奏は、どこかしっとりとした雨の日が似つかわしい感じがします。特に晩年の名盤「You Must Believe in Spring」に聴かれるようなメランコリックな演奏などが。

 

しかし、湿気の高くなる梅雨のこの時季は、演奏しづらくて困るのだと、知人のピアニストから聞いたことがあります。木質の素材でできたアコースティック・ピアノは湿気によって木部が水分を取り込んだ状態となり、鍵盤の動きが悪くなり、ときには戻らなくなったり、音が小さくなったりするのだそうです。また、ピアノのスピーカーに相当する響板も、水分によって音質に大きな影響を受けるといいます。

 

オーディオにおいても湿気は大敵ですね。特に木質のエンクロージャーのスピーカーを使用する場合、湿度が高くなるとスピード感が出なくなったり、低音の解像度が落ちたり、音質に影響が出てきます。そのため、除湿器を利用して対策をするオーディオ・ファイルもいらっしゃるようです。

 

雨のしとしと降る日に部屋で音楽を聴く愉しみにも、いろいろ悩みはつきものです。(さかもと)

 

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